診療日記犬

2014.09.17更新

犬に多く発症する後天性の心臓病の1つです。

心臓の左側、左心房と左心室の間にある弁を僧帽弁といいます。

肺から左心房を経て左心室に送られた血液は心臓のポンプの力で大動脈から全身へと送られていきます。

この時、僧帽弁は左心房へ血液が逆流しないようにする役割をしているのです。

僧帽弁閉鎖不全症は、この弁に異常が起き、弁がきちんと閉まらなくなり、全身へ送り出されるはずの血液の一部が,左心房へ逆流してしまいます。

その結果、心血管系はもちろん、呼吸器系、腎・泌尿器系、肝胆管系にも障害が起こり、様々な症状が出てきます。
僧帽弁閉鎖不全症ってなに?

原因は加齢によるもの、そして遺伝が関与していることが明らかになっています。

加齢に伴い、羅患率は増加します。また、小型犬から中型犬に発生が多く、キングチャールズスパニエルは特異的に若齢でも発生頻度が高い犬種です。


<どんな症状?>
初期の段階では、見てわかる症状はほとんどないのですが、聴診すると心臓に雑音が聞こえることがあります。

軽度から中程度に病気が進行すると、心臓の肥大により、気管が刺激されて咳が出てきます。

散歩のとき、以前よりも喜ばなくたったり、途中で座り込んでしまったり・・・。

普段から疲れやすく、食欲不振になることもあります。

さらに症状が進み重度になると、咳き込む時間が長くなり、呼吸困難になります。

肺水腫が進み、安静にしていても呼吸困難が続き、失神してしまうこともあります。


<どうすれば?>
病状の段階に応じた治療が必要になります。

早い段階からの、血管拡張薬(ACE阻害剤)の投薬で、病気の進行を遅らせる可能性があります。

その他、利尿薬や強心薬等を、症状により単独あるいは、組み合わせて治療します。

同時に心臓の悪い犬用の病院食がありますので、それを食べてくれるようであれば、切り替えたほうがよいでしょう。

肥満も心臓に負担をかけます。若い頃から、肥満にならないように気をつけましょう。

そして、激しい運動や興奮を避けましょう。

この病気は、急性に悪化した場合、呼吸が苦しくなり命にかかわることがありますので、異変を感じたら、すぐに診察を受けることをお勧めします。

投稿者: 上社ペットクリニック

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